てとての時間 No.03 2026年9月21日
「行けるうちに
行けば良かった」
介護の現場で働いていると、何人もの方から、まったく同じ言葉を聞きます。
「行けるうちに行けば良かった」
「あなたも行けるうちに、どんどん行きなさいね」
温泉のこと、故郷のこと、若いころに行った場所のこと。
話しているときの表情は、とてもいきいきしています。
でも、そのあとに続くのは、いつも同じです。
「もう無理よ」「今さらね」。
行けない理由は、足やお金ではないのかもしれません
わたしは、こう思うようになりました。
本当の理由は、連れて行ってくれる人がいないことではないか、と。
ご家族は、仕事があります。遠くに住んでいることもあります。
「行きたい」と言えば、迷惑をかけてしまう。だから、言わない。
言わないうちに、行きたい場所は、思い出のほうへ移っていきます。
出かけることは、体にも効くそうです
兵庫県養父市で、65歳以上の3,769人を5年間追いかけた調査があります。
そこでは、買い物や地域の集まりなどの「社会参加」が、弱ってきた状態(フレイル)の改善につながっていたと報告されています。
予防だけでなく、改善のほうにも効いていた、というところが心に残りました。
出かけるのは、楽しみのためだけではないようです。
今日できる、ひとつのこと
次に電話をするとき、ひとつだけ聞いてみてください。
こんな聞き方で
「どこか行きたいところ、ある?」
「元気になったら、どこ行きたい?」
「今まででいちばん良かった場所って、どこ?」
その場で行けなくてもかまいません。
行きたい場所を思い出すことから始まります。
「行けるうちに行けば良かった」を、
「行けてよかった」に変えられたら。
TETOTEは、その日のご一緒をするための仕事です。
このコラムを書いた人
眞下 恵子(ました けいこ)
TETOTE 代表/介護職員初任者研修 修了/現役デイサービス勤務
茅ヶ崎に暮らして10年。駅前で飲食店を営んだのち、今は市内のデイサービスで働いています。
TETOTEは、茅ヶ崎を拠点にした、話し相手と見守りの訪問サービスです。
藤沢市・平塚市・寒川町にも伺います。その他の地域もご相談ください。
伺った日のご様子は、写真とメッセージで、離れて暮らすご家族へお届けしています。